コンセプトは「地上で読む機内誌」。誌面を飾る世界各地の美しいビジュアルとテキストは、読者を架空の「想像旅行」へと誘うだけでなく、 その地へ「実際に行ってみたい」と思わせる、リアル・トラベルの入り口をも提供します。

Editor’s Note #22 ハワイ

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 #22 ハワイ / Text:ルーカス ビービー(本誌P.10より)

[オーガニックでおいしい!]

やはりハワイは地球上でもっともすばらしい場所のひとつだ。気候、美しい景色、魅力的なアロハ・スピリット、そのすべてがハワイをこの世の楽園にしている。とはいえ、人々をもう一度ハワイに行きたいという気にさせる本当の魅力は、ハワイの文化と風景の両方に見られる幾重もの巨大な層が存在しているからであろう。だからハワイへ旅行に行けば、そのたびになにか新しい発見があるのだ。そんなハワイへの旅で、PAPER SKYのクルーは今回、フードコーディネーターの根本きこさんと一緒に、ヘルシーでローカルでフレッシュでオーガニックな食べ物を探しにいった。日本では、多くの人々が「ロハス」とか「エコ」といった言葉を使っているが、ハワイでは、そんな野暮で人工的な言葉を使っている人はいない。そのかわり、健康的な食生活と新鮮な食べ物が、ひとつの生活である、生きかたとなっているのである。それはブランド名をつけてみたり、なにか人為的な意味づけをしたりするようなものではないのだ。今号のPAPER SKY で僕たちは、味覚を満足させるだけなく、身体や心まですごくハッピーにしてくれる、とびきりおいしい食べ物が食べられる最高の場所を見つけるため、さまざまな農場やレストランを渡り歩いた。

ハワイの経済だけでなく、人々の身体と心をともに育むようなオーガニックな方法と、そこに新鮮さをプラスしたローカルなフード・システムを、ハワイの人々がこれまでどんなに努力してつくりあげてきたかを紹介すること。それが今号の僕たちの目的のひとつだ。さらに、ハワイのフード・カルチャーはとてもリーズナブルだということもつけ加えておかなければならない。ヘルシーというのは、かならずしも法外な値段でしか買えないとは限らないのだ。今号のPAPER SKYが、なんらかの刺激を日本に与え、日本人の皆さんがもっとローカルでオーガニックな食べ物を食べるようになり、そして日本のレストランがもっと地元の食品を使うようになることを僕たちは願っている。そんなわけで、次のハワイ旅行に向けて乾杯&いただきます!
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Editor’s Note #21 沖縄

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 #21 沖縄 / Text:ルーカス ビービー(本誌P.8より)

[レインボーブルー 沖縄、八重山諸島]

僕たちの乗る飛行機が、石垣空港の短い滑走路に例のごとく緊急ブレーキでの着陸を試みようと急降下する直前、乗客はみなことばもなく、ただじっとそこに座っていた。世界でいちばん美しいといわれる海岸を見ようと、窓側の席の人たちは誰もが窓ガラスに顔を押し当てた。八重山諸島を取り囲む海は、無数のブルーの色合いで一面きらきらと輝いている。それは、七色の虹さえ味気ないものに思わせるほど色彩豊かな海だ。

日本最南端の地、八重山諸島にようこそ! この島の「本当のお隣さん」といえるのは、遠く離れた沖縄本島でもなく、もちろんもっと遠い本州でもなく、台湾とフィリピン諸島だ。八重山諸島では、その空気のなかに、そして住民の心のなかに、愛と平和を育むあたたかいそよ風が吹いている。沖縄本島から飛行機で1時間、とはいっても地理的には、この島々はより大きな沖縄諸島に属している。つまり、はるか遠い小笠原と東京の関係に似ているといえるかもしれない。到着後、賢い旅人ならすぐに気づくだろう、八重山と沖縄本島はまったくの別世界で、大阪と東京ほどの距離の差と文化の違いがある、と。現在の八重山諸島には、800年以上もの間、島の住民たちが守り続けてきた豊かで独特な文化がある。

今号のPAPER SKYでは、八重山諸島の3つの島(石垣島、西表島、竹富島)を旅した。そのそれぞれで、ユニークな体験が味わえる。石垣島では、ミュージシャンの永積タカシ(ハナレグミ)と一緒に街を歩き、僕たちが気に入った場所や人々を特集した「PAPER SKYガイドブック」をつくってみた。西表島では一匹のブルテリアをお供に、カヤックに乗ったりハイキングしたり、途中でちょっとキャンプをしたりしながら、楽園を思わせるこの島の野生の地を旅した。最終目的地の竹富島では、スピリチュアルで歴史を感じさせる、とっておきの美しい場所を読者の皆さんに紹介するために、アウトドア・ブランドのColumbiaとチームを組んだ。竹富島はいま、日本でもっとも新しいユネスコの世界文化遺産登録を目指して懸命に闘っている。がんばれ、竹富島!
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Editor’s Note #20 青森 

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 #20 青森 / Text:ルーカス ビービー(本誌P.8より)

[凍みる寒さのなかであったまる幸せ]

旅とは発見であり、そしてまた新しいことにチャレンジし、新しい環境に実を置くこと - PAPER SKY はそう考える。このことを心に刻みながら、僕たちは今回、日本でもっとも寒く、もっとも深い雪に覆われた場所のひとつを旅することに決めた。そこはまさに寒さと雪のシーズンのまっただなか。今号の目的は「青い森」の地、青森県だ。

連日のように気温がマイナス10℃を下まわるようになると、寒さのなかであたたかくいられる最適な場所はどこかといえば、それは日本屈指のいくつかの温泉しかない(P.30-45)。僕たちはそう気がついた。青森の温泉は文字どおり、虹のようにさまざまな色がある - 茶、緑、青、白、透明、そして赤…。もちろん、宿の心地よい羽毛ぶとんやすばらしい食事も、僕たちをつねにあたためてくれた。

青森県には多彩な食べ物があるが、それはこの県の地理的な位置に関係している、一方が日本海に、もう一方が太平洋に、さらにまたもう一方が津軽海峡に面しているという立地が、青森を世界のどこよりもバラエティに富む海の幸で有名にしている。そして海の「幸」に加えて、青森には世界トップクラスの農家の人々が住んでいるという、もうひとつの「幸」がある。たとえば、今回僕たちがインタビューした木村秋則さん(P.64-65)。木村さんは世界でただひとり、100%無農薬の自然栽培りんごをつくる人でもある。

今回の旅では郊外にも足を運んだ、そのときばかりは流行のスタイルで行こうと、僕たちはTHE NORTH FACEとチームを組み、八甲田山の山麓へスノーシューイングに行ってみた(P.90-95)。1mも雪が積もっているのに、スノーシューを履けば、春の山登りのようにハイキングが楽しめる。そうやって体を動かした後はもちろん、もう一度温泉に入って明日のために再充電する。この体験のすばらしさはことばでは表現できない…しいて言えば、まるで天国を旅しているようだった。さあ、「青い森」に囲まれた天国、青森へようこそ。

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Editor’s Note #19 ロンドン

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 #19 ロンドン / Text:ルーカス ビービー(本誌P.10より)

[草上のロンドン]

ロンドンといえば、僕たちのほとんどはセックス・ピストルズ、2階建てバス、古城、そしてはるか遠い遠い昔のことばのように聞こえる英語を話す人々を思い浮かべるだろう。でも僕たちPAPER SKYがやるべきなのは、いろいろな国や都市、街や人々を、少しだけ違った視点から紹介すること。だから僕たちは、もう一度ロンドンを見つめなおしてみた。するとワオ!ここには魅力的な公園がなんてたくさんあることか。すばらしい芝生、パーフェクトに美しい綿のような緑の芝生…ほら、出た。ロンドンの真髄を捉えると、こんなふうに、ロンドンっ子が喋る英語の独特なスタイルにもつれてしまうのだ。

僕たちはブレーンストーミングを続け、芝生をテーマにしてロンドンのリサーチをおこなった。すると、この場所の30%以上が広大な緑の大地に覆われているということ、そして、同じくらいの面積をもつ世界のどんな年寄りも、ここには数多くの公園があるということがわかった。つまり、ロンドンは原っぱの街ということだ。じゃあこの原っぱで、ロンドンっ子たちはなにをしているのか? 彼らはそこでスポーツをしている、しかもそのほとんどは、彼ら自身が生みだしたものなのだ。フットボール、ゴルフ、テニス…そう、これら偉大なスポーツは、すべてこの地から生まれたのだ。

今号のPAPER SKYでは、英国人と同じように、日本でも親しまれている競技にフォーカスし、読者の皆さんが次にロンドンを旅したときに、プレーしたり観戦したりすることのできる場所を紹介している。僕たちはロンドンにあるイングランド・プレミアリーグのスタジアムをすべて訪れ、ウィンブルドンにひざまずき、そのベルベットのような芝生を感じた。またロンドンの中心街から列車でほんの数分のところにある世界でもっとも有名なゴルフコースで、ちょっとしたパッティングを楽しんだ。さあそれでは、刈りとったばかりの芝生の香りを吸いこみながら、次のロンドン旅行に向けてティーアップ(準備)するとしよう。
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PAPER SKYの編集長ルーカスに、特集の見所や取材の様子をインタ ビュー。取材の合間のこぼれ話やオフショット写真など、ルーカスならではの旅 の視点を伝えます。毎号本誌に掲載されている「Editor's Note」もこちらで読 むことができます。



ルーカス / Lucas

クリエイティブディレクター/編集人

1971年生まれ。トラベル・ライフスタイル誌『PAPER SKY』やキッズ誌『mammoth』、ベビー誌『baby mammoth』を発行しながら、プロデュース/編集/制作プロダクションとしてアイデアに溢れたクリエイティブ活動を行う(有)ニーハイメディア・ジャパンの代表取締役兼、総合プロデューサー。これまで『metro min.』(スターツ出版)や『tokion』、『planted』(毎日新聞社)など多くの雑誌創刊に編集長やクリエイティブディレクターとして深く関わってきた雑誌づくりのプロ。時代を先取りするセンスと人脈は雑誌だけでなく、旅の書店「BOOK246」や子供のためのセレクトショップ「3 Feet High」のプロデュース、さらにはSHIPSとのコラボレーション・ブランド「ships mammoth」など、多方面のクリエイティブにも生かされている。www.khmj.com
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