コンセプトは「地上で読む機内誌」。誌面を飾る世界各地の美しいビジュアルとテキストは、読者を架空の「想像旅行」へと誘うだけでなく、 その地へ「実際に行ってみたい」と思わせる、リアル・トラベルの入り口をも提供します。
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Editor’s Note #21 沖縄

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 #21 沖縄 / Text:ルーカス ビービー(本誌P.8より)

[レインボーブルー 沖縄、八重山諸島]

僕たちの乗る飛行機が、石垣空港の短い滑走路に例のごとく緊急ブレーキでの着陸を試みようと急降下する直前、乗客はみなことばもなく、ただじっとそこに座っていた。世界でいちばん美しいといわれる海岸を見ようと、窓側の席の人たちは誰もが窓ガラスに顔を押し当てた。八重山諸島を取り囲む海は、無数のブルーの色合いで一面きらきらと輝いている。それは、七色の虹さえ味気ないものに思わせるほど色彩豊かな海だ。

日本最南端の地、八重山諸島にようこそ! この島の「本当のお隣さん」といえるのは、遠く離れた沖縄本島でもなく、もちろんもっと遠い本州でもなく、台湾とフィリピン諸島だ。八重山諸島では、その空気のなかに、そして住民の心のなかに、愛と平和を育むあたたかいそよ風が吹いている。沖縄本島から飛行機で1時間、とはいっても地理的には、この島々はより大きな沖縄諸島に属している。つまり、はるか遠い小笠原と東京の関係に似ているといえるかもしれない。到着後、賢い旅人ならすぐに気づくだろう、八重山と沖縄本島はまったくの別世界で、大阪と東京ほどの距離の差と文化の違いがある、と。現在の八重山諸島には、800年以上もの間、島の住民たちが守り続けてきた豊かで独特な文化がある。

今号のPAPER SKYでは、八重山諸島の3つの島(石垣島、西表島、竹富島)を旅した。そのそれぞれで、ユニークな体験が味わえる。石垣島では、ミュージシャンの永積タカシ(ハナレグミ)と一緒に街を歩き、僕たちが気に入った場所や人々を特集した「PAPER SKYガイドブック」をつくってみた。西表島では一匹のブルテリアをお供に、カヤックに乗ったりハイキングしたり、途中でちょっとキャンプをしたりしながら、楽園を思わせるこの島の野生の地を旅した。最終目的地の竹富島では、スピリチュアルで歴史を感じさせる、とっておきの美しい場所を読者の皆さんに紹介するために、アウトドア・ブランドのColumbiaとチームを組んだ。竹富島はいま、日本でもっとも新しいユネスコの世界文化遺産登録を目指して懸命に闘っている。がんばれ、竹富島!
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Editor’s Note #20 青森 

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 #20 青森 / Text:ルーカス ビービー(本誌P.8より)

[凍みる寒さのなかであったまる幸せ]

旅とは発見であり、そしてまた新しいことにチャレンジし、新しい環境に実を置くこと - PAPER SKY はそう考える。このことを心に刻みながら、僕たちは今回、日本でもっとも寒く、もっとも深い雪に覆われた場所のひとつを旅することに決めた。そこはまさに寒さと雪のシーズンのまっただなか。今号の目的は「青い森」の地、青森県だ。

連日のように気温がマイナス10℃を下まわるようになると、寒さのなかであたたかくいられる最適な場所はどこかといえば、それは日本屈指のいくつかの温泉しかない(P.30-45)。僕たちはそう気がついた。青森の温泉は文字どおり、虹のようにさまざまな色がある - 茶、緑、青、白、透明、そして赤…。もちろん、宿の心地よい羽毛ぶとんやすばらしい食事も、僕たちをつねにあたためてくれた。

青森県には多彩な食べ物があるが、それはこの県の地理的な位置に関係している、一方が日本海に、もう一方が太平洋に、さらにまたもう一方が津軽海峡に面しているという立地が、青森を世界のどこよりもバラエティに富む海の幸で有名にしている。そして海の「幸」に加えて、青森には世界トップクラスの農家の人々が住んでいるという、もうひとつの「幸」がある。たとえば、今回僕たちがインタビューした木村秋則さん(P.64-65)。木村さんは世界でただひとり、100%無農薬の自然栽培りんごをつくる人でもある。

今回の旅では郊外にも足を運んだ、そのときばかりは流行のスタイルで行こうと、僕たちはTHE NORTH FACEとチームを組み、八甲田山の山麓へスノーシューイングに行ってみた(P.90-95)。1mも雪が積もっているのに、スノーシューを履けば、春の山登りのようにハイキングが楽しめる。そうやって体を動かした後はもちろん、もう一度温泉に入って明日のために再充電する。この体験のすばらしさはことばでは表現できない…しいて言えば、まるで天国を旅しているようだった。さあ、「青い森」に囲まれた天国、青森へようこそ。

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Editor’s Note #19 ロンドン

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 #19 ロンドン / Text:ルーカス ビービー(本誌P.10より)

[草上のロンドン]

ロンドンといえば、僕たちのほとんどはセックス・ピストルズ、2階建てバス、古城、そしてはるか遠い遠い昔のことばのように聞こえる英語を話す人々を思い浮かべるだろう。でも僕たちPAPER SKYがやるべきなのは、いろいろな国や都市、街や人々を、少しだけ違った視点から紹介すること。だから僕たちは、もう一度ロンドンを見つめなおしてみた。するとワオ!ここには魅力的な公園がなんてたくさんあることか。すばらしい芝生、パーフェクトに美しい綿のような緑の芝生…ほら、出た。ロンドンの真髄を捉えると、こんなふうに、ロンドンっ子が喋る英語の独特なスタイルにもつれてしまうのだ。

僕たちはブレーンストーミングを続け、芝生をテーマにしてロンドンのリサーチをおこなった。すると、この場所の30%以上が広大な緑の大地に覆われているということ、そして、同じくらいの面積をもつ世界のどんな年寄りも、ここには数多くの公園があるということがわかった。つまり、ロンドンは原っぱの街ということだ。じゃあこの原っぱで、ロンドンっ子たちはなにをしているのか? 彼らはそこでスポーツをしている、しかもそのほとんどは、彼ら自身が生みだしたものなのだ。フットボール、ゴルフ、テニス…そう、これら偉大なスポーツは、すべてこの地から生まれたのだ。

今号のPAPER SKYでは、英国人と同じように、日本でも親しまれている競技にフォーカスし、読者の皆さんが次にロンドンを旅したときに、プレーしたり観戦したりすることのできる場所を紹介している。僕たちはロンドンにあるイングランド・プレミアリーグのスタジアムをすべて訪れ、ウィンブルドンにひざまずき、そのベルベットのような芝生を感じた。またロンドンの中心街から列車でほんの数分のところにある世界でもっとも有名なゴルフコースで、ちょっとしたパッティングを楽しんだ。さあそれでは、刈りとったばかりの芝生の香りを吸いこみながら、次のロンドン旅行に向けてティーアップ(準備)するとしよう。
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Editor’s Note #18 秋葉原

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 #18 秋葉原 / Text:ルーカス ビービー(本誌P.10より)

[アキハバラ・ドリーミング ~夢見る秋葉原]

なぜ秋葉原なのか? それは、この街が夢見る人たちの地であり、夢がはじまる場所だからである。約400年前、そこには眼をキラキラさせたサムライたちが、一人前の兵士となるべく懸命に訓練する姿があった。時を経て、ここは「火の町」となった。そして秋には美しい紅葉で彩られた「秋葉」は、火の神様と深い関係となった。1880年代のはじめ、秋葉原は新しい火、「電気」を灯した。国内の電力が公共となり、電線やチューブやカッターを売る小さな店が町一帯に軒を連ねたのである。

歴史を通じて、秋葉原はつねに、変わりゆく文化の最前線に位置づけられるファッションリーダーとしての地位を守りつづけてきた。アキバは流行の発信地。その証拠に、1886年に「伊勢丹」第1号店があった場所がいまでも残っている。アキバから生まれた次なるトレンドは、野菜と一緒に売られていたラジオとそのパーツだった。ラジオ放送が開始され、ラジオとパーツの需要が急速に伸びはじめた1925年には、カボチャとニンジンとラジオをいっぺんに買うことができたのだ。

秋葉原は現在、新しい流行や製品や文化が、国内のみならず海外にも広く普及している場所として、さまざまな夢とともにふたたび爆発的な拡大を見せている。今号のPAPER SKYをバイリンガルで発行することにしたのも、それが理由だ。このガイドは、秋葉原の魅力的な過去と現在、そしてそれほど遠くない未来を紹介する。僕たちは秋葉原の「オシャレ」な側面だけでなく「オタク文化」もカバーしたいと思った。それにもちろん、未来に生きるこの街のどこに行けば、最高の製品、最高のお買い得品、最高の食べ物を手に入れられるかといった、より実践的な側面も網羅しようと努力した。そこで最新式ロボット「Lego㌃ Mindstorms㌃ NXT」をこの街に送り、案内役として活躍してもらうことにした。彼はみんなのどんなニーズにも、完璧に応えてくれる。というわけで、アキバですばらしい一日を! イッテラッシャイ。
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