コンセプトは「地上で読む機内誌」。誌面を飾る世界各地の美しいビジュアルとテキストは、読者を架空の「想像旅行」へと誘うだけでなく、 その地へ「実際に行ってみたい」と思わせる、リアル・トラベルの入り口をも提供します。
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Editor’s Note #25 カリフォルニア

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 #25 カリフォルニア/ Text:ルーカス ビービー(本誌P.6より)

[現代文化のノーザンライツ - 北カリフォルニア]


僕はバルチモアに生まれた。当時20歳だった母は、誰もが認めるウッドストック・ヒッピー。僕が3歳のころに家族でカリフォルニアへ渡り、最終的にビートニクとヒッピーとサーファーのメッカ、西海岸に移り住んだ。

音楽、文学、食べ物、アート、そしてスポーツにいたるまで、現代文化の多くはビートとヒッピーとサーファーの影響をおおいに受けてきた。そしてこのすべてのムーヴメントに共通しているのが、北カリフォルニアの街々に深いルーツをもっているということ。ビートとヒッピーとサーファーがどれほど多くの影響を僕たちに及ぼしてきたか、そしていかに僕たちのカルチャーを感化しつづけているか、それを読者の皆さんに伝えるため、PAPER SKYはこの街へ旅立った。これらのムーヴメントがその基礎を築き、今もたしかに存在して人々を刺激している、数々の場所を垣間見るために。

今回の旅は、サンフランシスコのベジタリアン・レストラン「Greens」のブレックファストに始まる。ここは現代の「オーガニックフード」の元祖といっても過言ではない。そしてビートのメッカ「City Light Books」までぶらりと散歩。さらに地下鉄や車にちょっと乗ってバークレーまで足をのばし、ダスティン・ホフマンの映画『卒業』に登場する伝説的な本屋「Moe’s」に立ち寄る。そこから僕たちが向かったのが、じわじわと細胞増殖のように成長し、今やサーフィンとスケート・ムーヴメントのメッカともなったサンタ・クルーズ。ここにはアメリカでもっとも進んだ知的能力をもつ大学のひとつ、カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校(カリフォルニアンたちはUCSCと呼んでいる)がある。その少し南にあるのがビック・サーと呼ばれる場所。かつてはここに、ビートとヒッピーとサーファーが、おいしい空気と世界有数の美しい自然を求めてやってきていた。このあたりは、スピリチュアルでオルタナティヴなライフスタイルを生みだした「エサレン研究所」の本拠地であり、ビートに大きな影響を与えた作家ヘンリー・ミラーの故郷でもあり、また「マーヴェリックス」と呼ばれるビッグウェイブと、この大波を初めて制覇したという伝説のサーファー、ジェフ・クラークに会いに、世界中からサーファーが集まるハーフムーンベイにもほど近い。そして、このオルタナティヴ・ムーヴメントの旅物語の締めくくりとして、現代のムーヴメントに欠かせないのが、フランシス・フォード・コッポラの驚くほどおいしいワイン「ルビコン」を生んだナパのワイナリーRubicon Estate」だ。

さあ、これで十分。手短かに言えば、今号のPAPER SKYを読んで、ビートニクスとヒッピーとサーファーのすべてを学んだら、あとはもう「トリップ」するだけ、ということ!

Editor’s Note #24 タヒチ

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 #24 タヒチ/ Text:ルーカス ビービー(本誌P.8より)

[花の島]

タヒチの人々にとってティアレは、日本人にとってのお米のようなもの。つまり文化の象徴ともいうべき存在。タヒチの国花として美しい星形のティアレは、空港に降り立った観光客全員に手渡される。一度匂いをかいだだけで、もう一生タヒチのことを忘れられなくなるほどの香りだ。タヒチに住む人々は、男性も女性もこの花を身に着けている。男性はつぼみを耳の後ろに、女性はきれいに花開いたものを。ティアレの花はモノイオイルをつくるのにも使われる。このオイルをタヒチの人々は生まれてから死ぬまで、薬や美容のために毎日のように肌に塗っているという。

そう、ここでは毎日が花々に癒されているのだ。タヒチの人々は、花と植物なしでは (more…)

Editor’s Note #23 京都 

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 #23 京都 / Text:ルーカス ビービー(本誌P.8より)

[京都を食べたら甘かった!]

京都の秋はなんともいえず美しい。豪華なオレンジと黄と赤に彩られた木々のタペストリーと、歴史を感じさせる古い寺が隣り合わせになったこの町では、過去と未来という時が刻む鼓動を感じ取ることができる。でも今回は、京都のちょっとした秘密をこっそりと教えてあげよう——京都は夏もまたすばらしいのだ。そんなの信じられないと誰もが思うかもしれないが、それは、観光客が引いてしまうほど京都の夏の暑さは厳しいという噂を、イヤというほど聞かされてきたからにちがいない。 おかげで夏に京都を訪れる人は、そんなナンセンスな噂に耳を貸そうともしない、数少ない「勇気ある」物好きだけということになってしまった。もし暑さこそ避けたい要素なのだとしたら、夏を過ごしたくないと思う場所は京都ではなく東京だろう。風が通らないコンクリートのビル、車の排気ガス、冷たい空気を中に入れ、ムンムンした空気を外に吐き出すエアコン……これらが三つ巴になって首都全体を覆っている。それは僕たち東京人を、電子レンジでチンしたバターのようにドロドロに溶かしてしまう。

一方で、死ぬほど夏が暑いとされる京都は、その中心を美しい川が流れ、芸妓さんの扇子からは涼しい風が漂い、バスでちょっと移動しただけで冷たく新鮮な空気の吸える山々がたくさんある。でもたぶん、どんなに暑かろうとそこへ行く価値があると感じさせてくれる最大の魅力は、この町を自分のものにできる夏の数ヶ月間に観光客がとても少ないということだろう。つまり、おいしい京菓子を独り占めできるのだ。

今号のPAPER SKYでは、京都の町のいたるところで見かける、3世代〜23世代にわたって伝統的な和菓子を作り続けている21の和菓子メーカーを追った。僕たちの目標は、お菓子を通じて京都(日本のいわゆる「国宝」の20%がある町)の歴史と文化の全貌をとらえることだった。たしかに「スニッカーズ」のチョコレートバーでアメリカを要約しようとすれば、胸やけするか、さもなければシュガー・ラッシュ(砂糖中毒)でハイになるだけだろう。ところがありがたいことに、和菓子はもっともっと多くのものを提供してくれるのだ。この数世紀にわたる技術を受け継ぐ職人たちは、和菓子作りは外観、味、手ざわり、におい、音という「五感の芸術」への精神的・美学的没入を意味するということを僕たちに教えてくれる。さあ、口を開けて、京都をちょっとかじってみよう!
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Editor’s Note #22 ハワイ

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 #22 ハワイ / Text:ルーカス ビービー(本誌P.10より)

[オーガニックでおいしい!]

やはりハワイは地球上でもっともすばらしい場所のひとつだ。気候、美しい景色、魅力的なアロハ・スピリット、そのすべてがハワイをこの世の楽園にしている。とはいえ、人々をもう一度ハワイに行きたいという気にさせる本当の魅力は、ハワイの文化と風景の両方に見られる幾重もの巨大な層が存在しているからであろう。だからハワイへ旅行に行けば、そのたびになにか新しい発見があるのだ。そんなハワイへの旅で、PAPER SKYのクルーは今回、フードコーディネーターの根本きこさんと一緒に、ヘルシーでローカルでフレッシュでオーガニックな食べ物を探しにいった。日本では、多くの人々が「ロハス」とか「エコ」といった言葉を使っているが、ハワイでは、そんな野暮で人工的な言葉を使っている人はいない。そのかわり、健康的な食生活と新鮮な食べ物が、ひとつの生活である、生きかたとなっているのである。それはブランド名をつけてみたり、なにか人為的な意味づけをしたりするようなものではないのだ。今号のPAPER SKY で僕たちは、味覚を満足させるだけなく、身体や心まですごくハッピーにしてくれる、とびきりおいしい食べ物が食べられる最高の場所を見つけるため、さまざまな農場やレストランを渡り歩いた。

ハワイの経済だけでなく、人々の身体と心をともに育むようなオーガニックな方法と、そこに新鮮さをプラスしたローカルなフード・システムを、ハワイの人々がこれまでどんなに努力してつくりあげてきたかを紹介すること。それが今号の僕たちの目的のひとつだ。さらに、ハワイのフード・カルチャーはとてもリーズナブルだということもつけ加えておかなければならない。ヘルシーというのは、かならずしも法外な値段でしか買えないとは限らないのだ。今号のPAPER SKYが、なんらかの刺激を日本に与え、日本人の皆さんがもっとローカルでオーガニックな食べ物を食べるようになり、そして日本のレストランがもっと地元の食品を使うようになることを僕たちは願っている。そんなわけで、次のハワイ旅行に向けて乾杯&いただきます!
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