Editor’s Note #27 アイスランド

#27 アイスランド/ Text:ルーカス(本誌P.6より)
[個性きらめく国、アイスランド]
アイスランドに初めて訪れた僕は、空港から首都レイキャヴィクへと向かうバスの中で、すぐさまいくつかのことに気づいた。
まず、その風景が地球上のどこにもないような風景であるということ。氷河、火山岩、間欠泉、ときに温かく、ときに冷たいスカイブルーの海水、溶岩の上を覆うベルベットのような緑の苔、そしてどこまでも続く空……。気がつけば、いつの間にかそんな景色に囲まれている自分がいる。美しいものには、自然と体が反応する。澄んだ空気の中で思いっきり深呼吸したり、大地から立ちのぼる水分を肌で感じたり、美しい景色のなかを自由に流れる川や新鮮な水を大量に注ぎ込む滝の音に心地よく耳を傾けてみたり……。
すばらしい景色や自然の音――アイスランドの次世代の若者たちが、彼らの祖先と同じく、これらを無垢のまま保持しつづけてくれるとよいのだが――のほかに、この国には音楽という音がある。音楽といえば、世界で最も美しいサウンド(と僕は思う)を生みだす、ビョークやシガー・ロスといったミュージシャンにもいえることだが、アイスランド音楽には境界というものがない。あらゆる音楽ジャンルとカテゴリの垣根を越え、どんどん拡大し、創造しつづけ、さらにその音楽を聴いた人々の脳内でも創造が広がっていくのだ。
そして音楽と同様、アイスランドの人々もまたボーダーレスのように見える。僕たちは、地元の高校生と一緒にライブを楽しむ世界的に有名なバンドのメンバーとも話をしたし、クラシック音楽出身なのに美しいポップミュージックを生み出し、たったひとつのフレーズで人々にエネルギーを与え、そして人々を楽しませるような音楽を作曲するミュージシャンにも出会った。
Paper Sky のアイスランドへの旅は、本当に神秘的な体験だった。毎号、僕たちが願って止まないことだけれど、そこに住む素敵な人々、その価値観や感じ方、またそれぞれの場所がもつエネルギーが、皆さんのハートを心地よい雰囲気で満たしますように。
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